背中の電池

背中のスイッチが作動したものの、目が覚めてしまった。

そういえば、イッキが保育所の頃、背中に電池が入っていたんだったっけ。
保育所まで大人の足なら歩いて5分。でも、暑い日や寒い日、小さい子どもには長い道のりだった。
2歳頃まではベビーカーを使っていたけれど、3歳半も過ぎると歩くか抱っこかおんぶ。
腕力の少ない私はおんぶをよくしたけれど、出来るだけ歩いてもらいたかった。

「おかーさーん、つかれたー、おんぶー」
というイッキに、
「あれ、電池きれちゃったの?ほら、入れ替えてあげるからね。」
って、イッキの背中の扉をあけて、がしゃん、がしゃんと電池を入れ替えて、
ぱんって戸を閉める。
「電池入れ替えたから、歩けるね!」っていうと、
「ウィーン」って、頑張って歩いたものだった。

素直でかわいかったなぁ。

ミーは小さいときからそうはいかなくて、
「背中に電池なんて入ってない」と言われた記憶があるけどね。
昔から現実派だったなぁ。

さっきイッキに聞いたら、背中の電池のことを覚えていた。
ちょっと嬉しかった。

この道は、保育所への道ではないけれど、イメージはこんな感じだったな